「My Hometown日印子ども会合」実施に向けた、関係機関の協力を確認 【日本/インド】
気候変動とその対応をテーマとする、地域の未来を担う子どもたちの交流・学び・発信の舞台の創出を目指し、SEEDS Asia、京都南ロータリークラブ、京都市市教育委員会の合同打ち合わせが、7月14日に京都市教育委員会事務局で行われました。
遡ること2014年、京都市とバラナシ市の間で、「パートナーシティ提携に向けた意向書」が交わされています。この意向書は多くの交流を生み出し、現地の防災・環境における課題を把握することにもつながりました。そこで、わたしたちは「バラナシ市における学校コミュニティ防災事業(日本外務省NGO無償連携事業)」を2015年度から約3年間実施し、京都市の行政・市民の方々に多大なるご協力をいただきながら、バラナシ市内の学校における防災/気候変動教育、コミュニティ防災の推進を現地で図ってきました(ご参考:インドでの事業について)。
中でも、2017年度と2018年度には、バラナシ市から代表者を京都市に招へいし、環境と伝統の保全を図りながら持続的な開発を進める京都市について実際に視察いただき、行政・市民の方々との交流も深めながら、防災・環境、気候変動の防止と適応に努めるまちの姿をご覧いただいたこともあります(ご参考:ニュースレターVol.60)。
コロナ禍でしばらく往来が途絶えてしまっていたものの、交流を再開し、インドのバラナシ市と京都市の子どもたちをオンラインでつなぐ「My Hometown 日印子ども会合」を2024年度に企画することとなりました。そこで、本企画にご支援のご意向をお示しいただいている京都南ロータリークラブ様、そして学校との連携において欠かせない京都市教育員会事務局の皆様と顔合わせを行い、開催目的と共に実施にあたる懸念事項の共有を図ることとなりました。
会議では、まず京都南ロータリークラブ次年度会長の中村隆様より、京都市内での障がいを持つ若者支援やスポーツ振興、人材育成支援など、同クラブによる幅広い協力・支援プログラムについてご紹介がありました。
続いて、SEEDS Asiaの大津山光子事務局長からは、京都南ロータリークラブ様からのご支援を得て、2024年度に「My hometown日印子ども会合」の実施を計画している旨の説明をおこないました。また、SEEDS Asiaのテクニカルアドバイザーである岸田蘭子(滋賀大学特任教授)からは、過去の実績や参加した子どもたちの様子を踏まえながら、子ども会合の教育的意義と効果について説明があった他、教員の負担に配慮した形式であることも伝えられました。日印My hometown子ども会合は、気候変動という地球規模のテーマを、英語を使って学び合う機会でありながら、教育関係者に大きな負担をかけずに実施できることが特長として挙げられます。
こうした説明を踏まえ、京都市教育委員会からは、環境教育の重要性や、ICTの活用、外国語学習についても共感が示されました。京都市は平成21年に国から「環境モデル都市」に選定され、小中一貫で環境教育を進めるための京都ならではのガイドライン「環境教育スタンダード」を定め、子どもたちが環境問題について考える機会を提供されています。
会議の場では、副読本「わたしたちの環境(小学4・5年生及び中学生対象に配布)」やワークブック「こどもエコライフチャレンジ(小学4年生対象に配布)」をもとに、地球温暖化や気候変動について児童生徒が学習し、2050年のCO2排出量ゼロを目指し、全市を挙げて取り組んでおられることを説明いただきました。京都市で取り組まれる環境教育の方向性にも合致することから、本イベントの趣旨についても賛同をいただいたところです。
今後の予定としては、最大5校を目途に発表校を選出し、年末までに具体的な詳細を決定することで合意しました。子どもたちの交流の場を広げ、気候変動という地球規模の共通の課題について考えること、同時に互いの文化や価値観に触れる機会となることが期待されます。
日印 My Hometown子ども会合の実施は、子どもたちの教育環境や異文化交流の促進に貢献するものです。関係者一同、この素晴らしい取り組みを共に推進し、子どもたちの未来を明るく照らす一歩としたいと考えています。引き続き、この取り組みへのご支援とご協力をお願い申し上げます。
~ちょっと小話~
打合せの日は、祇園祭の宵々山を迎える前日。帰り道にはあちこちで山鉾が建てられ、提灯が光を放っていました☺