第9回アクサ・ユネスコ協会「減災教育活動報告会」と「減災教育フォーラム」への講師派遣 【日本/本部】
2023年2月11日、公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟主催、アクサ生命保険株式会社協力、文部科学省後援による「第9回アクサ・ユネスコ協会減災教育プログラム減災教育フォーラム―減災教育を地域に広げ、未来につなげる―」がハイブリッド式で開催され、会場(於:東京)・オンラインを合わせ全国から217名が参加しました。
当フォーラムは、防災・減災教育に関心を寄せる教育関係者やNPO/NGO、市民が対象で、9年目を迎えた全国規模のイベントです。気仙沼市における東日本大震災以降のESD(持続可能な開発のための教育)をベースにした復興・防災教育の経験・教訓を伝えることにより、今後の減災教育の推進と持続発展に向けたさらなる学びと交流を深めることを目的としています。
本プログラムの実施にあたり、SEEDS Asiaは研修への講師派遣という形で協力・連携して参りました。理事(及川幸彦准教授:奈良教育大学)が全体コーディネート/総括となっていることもあり、アドバイザー(上田和孝 准教授:新潟大学)が講師として、事務局長の大津山光子がパネリストとして登壇しています。当初から一貫していることは、防災・減災教育は持続可能な社会の実現に不可欠であり、ESDの一環として展開することが有効であるということ。狭義の「防災教育」すなわち自分の命を守るためのサバイバルやHow toの方法論に留まらず、防災・減災教育を切り口として、多角的な視点を持ち、主体性に課題解決に取り組む持続可能な社会・まちの担い手を育成する、というSEEDS Asiaの目指す防災・減災教育の在り方と、当プログラムの特徴には親和性があります。
今年の基調講演は、日本ユネスコ協会連盟理事で前大牟田市教育長の安田昌則先生による「大牟田市『令和2年7月豪雨災害」の教訓-ESDを基盤とした持続可能なまちづくりに向けた防災・減災教育-」でした。一日あたり観測史上最大の豪雨を記録し、一日(しかも日中の間)で一か月分の降水量を越えるという状況下において、児童の安全確保を含めた初動対応と学校再開に向けた復旧への取り組み、そしてその教訓を活かしながら「持続可能なまち大牟田」に取り組む学校と地域の連携による活動が紹介されました。
本フォーラムは、防災・減災に取り組む「同士」に出会う場であると共に、成果と課題に向き合い、次のステップを見出す機会でもあります。前掲の安田前教育長が「学んだことが分かる証は、何かが変わることである」という言葉を紹介されていました。この活動報告会とフォーラムを機に、何かが変わることを願って止みません。
本フォーラムは、私たちにとっても防災・減災教育に関心を寄せる全国の先生方・皆様との出会う貴重な機会となっています。日本ユネスコ協会連盟の皆様、アクサグループの皆様、参加校の皆様に改めて深く感謝申し上げますと共に、ここから、さらなるつながりと学びが生まれることを願っています。