JANIC 「アカウンタビリティ・セルフチェック 2021」実施とマークの取得 【日本/本部】
「この団体って本当に信頼できるの?」
これは、寄付を含めNPOと関わる際に、誰もが気になることではないでしょうか。
私たちは皆様から寄せられた信頼の下で公益事業を民間の立場で実施する立場として、団体の状況や状態を報告・公開することは大変重要であると考えます。
そこで、私たちは組織のアカウンタビリティを客観的に把握する「アカウンタビリティ・セルフチェック 2021」を実施しました。アカウンタビリティ セルフ チェック(ASC)は、団体のアカウンタビリティ(利害関係者への答責性)の状態を確認する自己診断ツールとして、国際協力NGOセンター(JANIC)が開発・推進しているものです。今回は2012年来の2回目の実施で、オンラインの立ち合いとなりましたが、SEEDS Asiaの理事長、事務局長、総務・財務部長の3者による自己診断の様子を、丁寧にご確認いただき、10月末にASC認証マークをいただきました。
JANIC「アカウンタビリティ・セルフチェック2021」マーク
JANICのアカウンタビリティ基準の4分野(組織運営・事業実施・会計・情報公開)について当団体が適切に自己審査したことを示しています。
このチェック項目は、国際的な基準を参考に、日本の事情や法令も加味された内容で構成されており、①組織運営基準、②事業実施基準、③会計基準、④情報公開基準の4分野44項目に及びます。自己診断の際にはそれぞれの証拠となる文書や現物を提示していくことが求められました。
今回は、2012年来の二回目だったこともあり、各種規程や、計画・報告の仕組みが前進してきたことを所内で実感する機会にもなりました。中でも、SEEDS Asiaの法人化から10周年を迎えた2016年に、理事・アドバイザー・職員が一丸となって策定した「SEEDS Asia2030年計画」と、同計画に基づく各年度計画策定/年度報告は、改めて事業内容の答責性を示す、重要性な骨組みとなっていることを確認することになりました。また、神戸市からの認定NPOの取得や休眠預金口座実行団体として取り組んだ、各種規程の見直し・整備・運用が、団体の組織基盤の強化や成長に欠かせないものであったことも同様です。
❖セルフチェック結果 | |||
指針項目 | 項目数 | 実現している 項目数 |
実現していない 項目数 |
組織運営基準 | 18 | 17 | 1 |
事業実施基準 | 11 | 11 | 0 |
会計基準 | 11 | 11 | 0 |
情報公開基準 | 4 | 4 | 0 |
合 計 | 44 | 43 | 1 |
自己診断の内、未実施となった点は、「オフィス・活動の省エネルギー、省資源製品・サービス購入、資源消費削減に向けた目標や取組みについて記載された文書が確認できる。」という項目でした。気候変動と災害は不可分であり、防災に取り組むということは、当然、環境にも配慮し省エネや脱炭素を日々の暮らしの中でも意識するわけですが、組織として文書化していなかったことに気が付きました。このように、ASCでは意識という個人に帰属するものではなく、組織として文書化・仕組み化されているかどうか、ということを改めて認識させてくれた機会となりました。
一方で、計画も規程も、作成することが目的ではありません。それらが運用・実践・浸透し文化へと昇華していくことによって初めて意味や価値を生み出すものです。文書・仕組み・実践と意識を組織のあらゆるレベルで、進化・深化させていくことの重要性を再認識する機会となりました。このようにASCを通じ、組織の改善点を見出すことができたことは大きな成果となりました。そして、項目の一つ一つの歩みを振り返る時、設立以来、様々な形で組織の信頼性を高めるべく、𠮟咤激励やアドバイスを下さった皆様を思い出し、感謝の念に堪えない一日にもなりました。
最後になりましたが、貴重な自己診断の機会をご提供頂き、始終ご立ち合い頂きましたJANICのご担当者様、関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。