これからのまちについて考える復興リレー講座(第11回)の開催報告【日本/長野】
7月22日(金)、令和元年東日本台風で被災した長野市長沼地区にある「長沼地区住民交流ハウス」に東北大学の姥浦道生先生をお招きし、「これからのまちについて考える復興リレー講座 『都市計画とまちづくり―これからの集落部のまちづくりの可能性-」を開催しました。
本復興リレー講座は、2020年度からこれまで、水と社会の関係性、災害後の住まいの選択、穂保地先の決壊と長沼城跡との関連調査結果報告、人口減少と災害復興、景観を大切にした復興と地域活性化、復興まちづくりの計画策定・実施、防災ステーションの事例紹介、女性中心の小規模な復興へのアプローチなど、多くの専門家や実践家の協力を賜り、災害復興に関わる多様な知見や実践事例をご紹介いただいて参りました(講師にご許可いただいた回のみYouTubeで公開中)。
第11回目となった今回は、オンラインと会場参加合わせて25名が参加しました。冒頭では長野市復興推進特別対策室の小池室長と長沼地区のまちづくり委員会の小川委員長からそれぞれ一言ずつ頂きました。姥浦道生先生のご講演は、都市計画とは何か、というマクロな視点に始まり、そのトレンド変化から、昨今進められているコンパクトシティの本来意図するところ、そして地区のまちづくり計画策定に向けたステップと共に、その実現に向けたツールを事例と共にご紹介頂きました。
参加者から寄せられた感想では、「まちづくりの基本的な考え方や進め方のヒントとして、たいへん参考になりました」の他、「コンパクトシティは持続可能なまちをつくるための一つの手段であり、目的ではないことがわかった」、そして「市街化調整区域における例外的許可制度について具体的事例と共にご知見をご共有いただいたことが、大変参考になった」という感想を頂いています。これから地域でこれからのまちのビジョンについて議論を進めていくにあたり、行政と建設的な議論を進めていくための重要な視点とツールをご提供頂くことができました。
さらに、姥浦先生には実際に長沼のまちを歩いていただいたことで、工事中の千曲川堤防、再開を待つ長沼体育館、洪水を生き抜いたりんご畑の他、修繕・再建されつつあるまちの様子をご覧いただくことができました。講義の中には、まちの様子の写真を入れていただき、より理解しやすくなる工夫を随所に見ることもできました。
質疑応答では、こうした特例制度をどのように実現・活用できるのか、そして人口減少の中で、どのようにマンパワーを確保していけばよいのか、等の質問が住民の方々から寄せられ、姥浦先生から丁寧な回答がありました。
この場をお借りして、ご講演頂いた姥浦道生先生、そしてご参加頂いた皆様に改めて深く感謝を申し上げます。
※本講座はシーズアジア主催、ジャパン・プラットフォーム(JPF)支援、長野市後援によって開催されています。
————————————————————————————————–
【番外編】復興リレー講座同日、長沼住民交流ハウスで復興まちづくりんごの貼付修復作業が行われ、長沼地区住民自治協議会会長、集落支援員の方と共に、姥浦先生にお手伝いまでいただきました💦 皆様、有難うございました!