モルディブ
モルディブはインド、スリランカの南西約600kmのインド洋上に、南北754km、東西118kmにわたって縦長に広がる26の自然環礁(アトール)から成り立つ島嶼国です。
2004年12月26日に発生したインド洋津波は、モルディブにもまた大きな人的・物的被害をもたらしました。
モルディブは海抜1メートルに満たない島が全体の80%以上を占め、津波や高潮に脆弱なだけではなく、気候変動による海面上昇の影響を最も受ける国の一つです。しかしながら、モルディブの島々では防災計画を持っているところはほとんどなく、災害に対して非常に脆弱です。
■沿岸コミュニティ災害リスク軽減のための人材育成事業
(国連国際防災戦略 SELAMAT プロジェクト)
SELAMATプロジェクトでは、シャビヤニ環礁の5島を対象に、環礁レベルの防災計画、また島ごとの防災計画を現地の関係者とともに作成するとともに、一つの島(ミランドゥー島)で災害リスク軽減のためのモデル事業を実施しました。
実施場所:
モルジブ、シャビヤニ環礁の5島
受益対象者の範囲:
シャビヤニ環礁職員、島の行政職員、住民、教師、児童、婦人グループ等の地域グループ他
受益対象者の人数:
シャビヤニ環礁の5島の住民(人口約8000人)
モデル事業では、沿岸侵食を防止するためのバイオシールドプロジェクト、自宅の庭を利用したキッチンホームガーデン促進プロジェクト、ITを利用したコミュニティ情報センタープロジェクト、島での深刻なゴミ問題に対処するための廃棄物管理プロジェクトを実施しています。
各モデル事業の概要については、以下をご参照ください。【PDF】
■メディア防災 キャパシティ・ビルディングトレーニング事業
(国連国際防災戦略 助成事業)
□背景
海抜が低いため自然災害の被害を受けやすく、人口が多くの島々に分散しているモルディブにおいて、生活者の「災害リスク」「防災」意識向上は必須の課題となっていますが、今のところ島民には浸透していません。
一方でモルディブではテレビやラジオの普及率が高く、人々がメディアの情報を通じ「環境」に比較的強い関心を持っていることから、災害管理において重要な役割を担うマスメディアの有効利用に注目が集まっています。
また、災害早期警報・災害時の情報伝達はもちろん、日常から人々を啓発していくことができるツールとしてマスメディアの能力強化が国家にとっての課題にもなっています。
そこで、SEEDS Asiaは、インド洋津波後に国が設置した国家防災センター(NDMC)および国連防災戦略(ISDR)の強い要請を受けて、現地メディアを対象とした意識向上トレーニングワークショップを企画実施することになりました。
□対象:国営テレビ、ラジオ関係者、民間のマスメディア関係者
□実施期間:2008年7月から2009年3月
□実施内容:
- ・メディア関係者向け防災トレーニング教材開発
- ・地元メディア関係スタッフ対象ワークショップ
- ・モデルラジオ防災番組の制作・放送