ミャンマーの緊急支援に係るプライバシー方針について
現在のミャンマーは、2021年のクーデター以降、軍の支配地域と民主化勢力の支配地域に分断されており、あたかも「ミャンマーA」と「ミャンマーB」という二つの国が存在し、往来が困難となっています。このような中、地震が発生する以前から軍からの拘束や暴力から逃れるために身を隠しながら移動・避難されている方々がいます。
私たちSEEDS Asiaは政治団体ではありません。災害から命を守り、まちをつなぐ、これが私たちのミッションです。
人道・公平・中立・独立という人道支援の基本原則のもと、被災された方の政治的立場や主張にかかわらず、支援を届けることが大切だと考えています。一つだった国土に異なる「A」と「B」の支配地域が存在するのであれば、それぞれの地域で支援活動を行うしかありません。そのため、私たちは信頼できる現地パートナーとそれぞれ連携し、市井の人々へ支援を届けていくという方針としています。
ただし、このような分断状態の中で活動を行うにあたっては、個人のプライバシーや尊厳を守ることがこれまで以上に重要になります。支援を受ける側はもちろん、支援を行う側や、それを支える寄付を含めた支援者も含まれます。
たとえば、支援物資を受け取った方の顔が写っていたり、配布場所がピンポイントで特定できるような写真を公開することは、すべての関係者を危険にさらしてしまう恐れがあります。そのため、受領者・配布者の個人の特定につながるお顔には、全て「ボカシ」をかけさせていただいています(本人の掲載確認を得ることが困難なため)。
ご寄付をいただいた方々には、「自分の支援がこんなに役に立っている!」と感じていただきたい気持ちは強くあります。被災された方々が水や食料を受け取って、涙を流すほどに喜ばれていたり、安堵した表情を見せる様子も本当はお伝えしたいです。また、ミャンマー国内から多額のご寄付をいただいた方々に、心からの感謝を広くお伝えしたいところです。
しかし、今のミャンマーにおいては、そのすべてに慎重な配慮が必要です。
私たちは、支援さえも危険をもたらす可能性を踏まえながら、これまで以上にプライバシーに配慮しながら報告し、確実に、命を守る支援を進めてまいります。
何卒ご理解くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。