気仙沼市の教員によるクアンナム事業の視察【ベトナム】
去る2014年10月13~15日、SEEDS Asiaのシニアアドバイザーの及川氏、気仙沼市鹿折小学校の畠山先生及び同市階上小学校の三浦先生がクアンナム省の事業の視察で来越されました。
<防災モデル校視察>
10月13~14日は、本事業で防災教育を実施中の「防災モデル校」を視察しました。全6校のモデル校のうち、2校の中学校と2校の小学校、計4校を訪問しました。
ユイスィエン郡 ユイハイ小学校での防災教室の様子
防災教室視察後は、学校側と協議を行いました。
及川氏より、学校防災教育では、生徒が自ら学び、それを家族と社会が支える3つの関係(自助・共助・公助)の重要性についてお話がありました。
また、畠山先生より、これまでは津波や地震を中心に防災教育を実施してきたが、ベトナムのみなさんのように、津波や地震以外の災害についても教えていきたいとコメントをいただきました。
タムキー市、グエン・フエン中学校
防災教室の実施方法については、基本的な構造は類似していましたが、いくつかの学校では教員の創意工夫も見られました。そして、全ての学校に共通していたことは、防災学習は命を守るための学習であることが認識され、それが授業へも盛り込まれていたことでした。
<学校防災を中心としたコミュニティ防災の経験と教訓を共有するためのワークショップ>
10月15日、3名の専門家の方々による、「学校防災を中心としたコミュニティ防災の経験と教訓を共有するためのワークショップ」を実施し、DOETやDARD、教育&コミュニティワーキンググループのメンバー約100名の方々が参加しました。
DOETのLe Van Chinh副局長による開会の挨拶
ワークショップでは、及川氏、畠山先生及び三浦先生より、気仙沼市における東日本大震災による被害及び学校や地域での復興に向けた取り組みについてその経験と教訓を共有していただきました。
ヌイタン郡、婦人会 Hoa会長
質疑応答では、「学校で作成された海抜表示のサインは、生徒が全て手がけたものでしょうか?」という質問に対し、生徒だけでなく、デザインは学校の美術教師、資金は大学等、取り付けは地域住民等多くの支援によって作成された経緯が説明され、さらに内閣総理大臣賞を受賞したことも紹介されました。
質疑応答時、及川氏による回答
ワークショップ閉会の挨拶では、DARD灌漑局のTrương Xuân Tý氏より、防災におけるコミュニティの重要性について日本の知識と経験から学び得ることができ、我々コミュニティワーキンググループと教育ワーキンググループは互いに学び合っていくことに期待すると述べられました。
DARD 灌漑局のTrương Xuân Tý局長による閉会の挨拶