気象学習ワークショップの開催 ~普通を知って、異常を知る~【フィリピン】
8月24日、SEEDS Asiaはタリサイ市と教育省タリサイ市地区事務所にサポートいただき、気象学習に関するワークショップを開催しました。このワークショップは、現在進行中のJICA草の根技術協力事業「中部ビサヤ地方における学校防災強化促進事業」の一環としておこないました。今回のワークショップの目的は、災害に関する気象情報やそれを理解するための気象学習の役割について学び、今後の学校とコミュニティによる防災に役立ててもらうことでした。参加者はタリサイ市の学校教員やバランガイ職員、現行プロジェクト内で立ち上げた学校防災タスクフォースのメンバー等、約50人でした。
ワークショップ内では基調講演として、タリサイ市の気象災害に関して、同市防災管理統括のRosthello Alvin Santillanaさん、気象情報や気象と気候変動の関連性について、フィリピン気象天文庁ビサヤ管区気象台(PAGASA Visayas PRSD)のVhan SabellanoさんとRomeo Aguirreさんにお話しいただきました。
日本からは、常葉大学准教授の山根悠介先生をお招きし、ご自身の研究活動や気象学習の重要性について講演していただきました。講演の中で、山根先生は「普通を知って、異常を知る」という言葉を使われ、平常時の気象に関するデータや気づきが、その地域ごとの異常気象を理解することに役立つということをお話しされました。SEEDS Asiaからは、これまでミャンマーとインドで行った気象観測プロジェクトについて紹介しました。
ワークショップ内では、気候変動による日々の生活への影響やフィリピン、もしくはタリサイ市で実現可能な気象学習活動について議論し、参加者の方々の活発な意見交換がありました。
ワークショップ後のアンケートでは、ほぼすべての参加者の方々から「参加して良かった」との声をいただき、「フィリピンでより気象学習を強化した方がよい」という意見も沢山ありました。学校防災タスクフォースのメンバーからは、「今回のワークショップは、現行プロジェクトにおける学校教員向けの『学校防災研修プログラム』開発に役立ちそうだ」という声もあり、今回のワークショップの内容も今後のプロジェクトに取り入れてまいります。